2019/0/0

妖魅変成作品ノート01

扶桑社がJAPANひっくり返ると称して創刊した「PANJA」で、1995年より連載が始まった「妖魅変成夜話」。

雑誌形態がA4サイズ、紙も美麗。「SPA!」の別冊でしたので、ちょいアダルトな内容。

そして当時すでに「陰陽師」の連載も始まっており、ササッと描ける手法ということで、筆と薄墨使用で描きだした。

モチーフは古代中国の唐代伝奇集や遊仙窟・聊斎志異など、の古典は怪奇譚の宝庫だったのでとても魅力があったのね。プラス、連載開始当時テレビで放送されていた「Xファイル」調で、イケメンなのにズッコケな主役「李 成潭」らしく楽しく怪しく行ってみようと描き始めたのです。

残念ながら、「PANJA」は2年で廃刊となり、「妖魅変成夜話」はその後休載を経ながら、スコラ社で単行本第1巻が発刊。

そして、縁あって、平凡社の「月刊百科」での連載となった。

掲載雑誌の形態は「PANJA」のA4版からA5版へと縮小してしまったけれど、単行本は、A5版を保持できて、美しい装丁に包まれて出版されたのです。

この「妖魅変成夜話」、はじめ執筆時間短縮のための墨に筆で描く手法を選んでいたのだけれど、執筆も年月を重ねれば表現は豊かに上達するわけで、徐々により美麗な画面へ、美形キャラへと変化していったのですね。

 

しかも、この作品は、スクリーントーンを極力使っていないため、唐の時代の登場人物の着物の模様はほとんど手描き。龍玉将軍の胸の二頭の絡み合う龍も、登場するたび丁寧にトレスされ、筆で仕上げられていた。

 

 

困ったことに、時間を短縮するはずの筆描きは、他のスタッフにはできない、OKANOが一人でチクチク描き進めるため、手間はどんどん増えるばかり。

物語が仙界が交わる第3巻に至っては、その建物などの緻密な下描きにも時間がかかり、おまけに下書きで直線定規を使っても、筆の仕上げは全てフリーハンドと、筆入れの時間も集中力も体力も、わたしはばかだー~~ 

というほど大変になっちゃった。

並行して書いていた陰陽師も、10巻以降は皆さんにもお分かりの通り、大変なことになってたから、2作品の内容の完成度も、画面を荒らしたくなくて、休載になってたね。

4巻は、陰陽師完結後の連載再開だったけど、やはりこの作品、

絵が緻密な分、スタッフに手伝ってもらう下描きもとっても手間がかかり、描けば描くほど赤字という状態になっちゃったのですね。

それで、どうにかならないものかとしゅっ版社さんにもご相談したのですが、上の方は他にも作品を描けばいいじゃないですか、というのよね。げほげほ。

どこまで描けるかが自分でわかっていて、クォリティーが低い作品は、私としては、読者に提供したくない、のです。

常に、どの作品も、全身全霊、最善を尽くしたものを提供したい。読み手が作品から受け取れるエネルギー値が落ちてしまうから。というのが、当時の私の仕事のあり方でしたから、ちょっと辛かったですね。

そんな時に、講談社の週刊「モーニング」誌の編集者が、まるでテンプル騎士団のように男性二人組で訪ねていらした。

(確かテンプル騎士団の騎士達は、常に二人行動なのですよね)

《成潭くん》

《上司の龍将軍は・・・》

《上司の龍将軍は・・・》